ぐらたんのごった煮ブログ

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インプット量が凄まじい!『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』

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こんにちは。ぐらたんです。

文章を書くとき、「いい文章を書きたい」と思うことは、ありませんか?どうせ書くなら、いいものをつくりたい。欲を言えば、いい反応をもらいたい(笑)でも、その気持ちが時に足かせとなって、ペンを持つ手やキーボードを打つ指が止まってしまう。

私は、そんな傾向があります。

もっと知識があれば、もっと経験があれば、文章を書く姿勢や書く内容は変わるのでしょうか。

少しでも、「答え」に近づきたいと思い、書店で見かけたこちらの本を手にしました。『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』。帯に書いてある『「言葉の発信力」を上げたい人へ』というコピーにやられました(笑)

この記事では、本の感想と、本から得られたこと・考えたことについてご紹介します!

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著者について

この本の著者である三宅香帆さんは、2016年の記事「京大院生の書店スタッフが「正直、これ読んだら人生狂っちゃうよね」と思う本ベスト20を選んでみた。《リーディング・ハイ》」で2016年の年間総合はてなブックマーク数ランキングで第2位となりました。

自称「文芸オタク」に加え、書店で働いた経験もあり、文芸作品について広く深い知識を持っている方です。

 

本の構成

「バズる」というパワーワードが使われていますが、この本の目的は以下の3つです。

1.(文章の終わりまで読もうかな)と思ってもらう。

2.(この人いいな)と思ってもらう。

3.(広めたいな)と思ってもらう。

▲本書8頁より引用

 

「書き手」である自分ではなく、あくまでも「読み手」を意識した文章づくりが前提になり、いかに読み手の心を動かすかということが、この本の狙いです。

 

・バズるつかみ

・バズる文体

・バズる組み立て

・バズる言葉選び

 

この4つの視点から、文章の実例を交えて解説をしていきます。

 

本を読んで感じたこと

凄まじいインプット量

この本を読んで、真っ先に思ったことが、著者である三宅香帆さんの「インプット量が凄まじい!」ということ。歴史的名著からJ-POPの歌詞など49個の実例から、その文章の「らしさ」を紐解いていくのですが、とにかく幅が広い!そんなに文章を読んでいて、「寝る時間はあるの?」と心配になってしまうほど。

新旧さまざまな文章に触れているからこそ、1つの文章がもつ個性がわかるのだなぁと、内容よりもそんなことが頭をよぎりました。

 

「ドーナツの空洞部分」が刺さった

私が一番印象的だったのが、この一例。

書き手の感情がまったく文字になっていないからこそ、逆に、読み手は描かれた「状況」から勝手にそこに存在するであろう書き手の「感情」を想像するんです。

イメージで言うと、ドーナツの空洞部分に「感情」がある。そしてそのまわりの「状況」だけが描かれている。「書かれていない」ことで、よりリアリティが増すわけです。

▲本書99頁より引用

 

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あえて感情を表現しない「余白部分」があることで、読み手は「こうなんだろうなぁ」と考える。使い方によっては、すごく趣がある文章になります。

普段、私がブログや仕事(報告書など)で文章を書くときは、「わかりやすさ」にばかり意識が向いてしまいます。たまに「キャッチーさ」を意識するくらい。読み手の心の動きまでも計算に入れて(いるのか?)文章を書くと、読み物としてのレベルが上がるように思いました。

ビジネスで使う文書では必要ないかもしれませんが、「人を楽しませること」を目的とした、感情に訴えかける文章には、たまにアクセント程度に使うと面白そうです。

 

文章とは真似をとおして自分の「型」をみつけるもの

本文では、数多くの事例と、その文章が「なぜ人を惹きつけるのか」が解説されています。結局のところ、その人の真似をしても「○○っぽい文章」ができあがるだけのようにも思えます。

しかし、それがいつか自分のクセと混ざり合い、自分なりの文章になる。そんな気がしました。直接テクニックを取り入れるのではなく、「自分が文章を書く状況・環境」と「読み手の状況・環境」に合わせて知識を応用することで、この本の真価が発揮されるように思います。

即効性のあるテクニック本、というよりは、ここから「どうやって応用していこうか」と考えたくなる本です。

 

まとめ

よく「文章を書くときには読み手を意識しよう」と言われますが、どうやって意識すれば「読み手への意識」とやらにつながるのか。その方法と結果が、この本には数多く記されています。愛されている文章にはワケがある、ということですね。

そして、実際に文章を書く方にとって大切なのは、どう自分の文章に活かしていくかということ。真似からはじめても大丈夫だと、個人的には考えています。試行錯誤しながら、スタイルを確立させていく。それには、「良い」と評価されている実例を学ぶことが必要ですね。たくさんの良い例を知るという意味で、この本はとても勉強になり、刺激となりました。温故知新という言葉がピッタリです。

『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』を読んだことで、文章の魅力がじわじわと身につくことを自分に期待してます(笑)

読まれる文章を書く「スタイル」について、考えたくなる一冊です♪