こんにちは。ぐらたんです。
はじめての妊娠をしました!夫婦でとても喜んでいたのですが、結果は稽留流産(おなかの中で赤ちゃんの成長が止まってしまう状態)という残念な結果に終わってしまいました。今自分にできることは、「自然に流れるのを待つ」か「手術を受ける」か。悩んだ結果、全身麻酔をかけての流産手術を受けることにしました。またまたはじめての全身麻酔…!当日の流れや痛みの程度などについて書いていきます。
▼妊娠発覚~稽留流産の診断がおりるまでを記事にしました。
▼手術を受ける病院選びについての記事です。
▼妊娠について悩んでいる方にオススメの記事です。
稽留流産と診断された場合の選択肢
待機をする場合
自然に赤ちゃんが流れるのを待つ方法。待機期間が長期にわたると感染症のリスクがあるため、定期的に医師の判断を仰ぎます。
<メリット>
・手術にかかわる身体的・経済的リスクを避けられる。
<デメリット>
・大げさな言い方をすると小さな出産。痛みと大量出血が突然起こる可能性がある。
手術をする場合
手術方法は、病院によって掻爬法(日本で流産手術として昔から行われている方法。器具を使って子宮の内容物をかき出す)や吸引法(WHOが推奨している方法。器具によって子宮の内容物を吸引する)など手段が変わります。
<メリット>
・手術日が決められるため、「仕事中や外出中に突然出血がおこるかもしれない」などの心配がない。
<デメリット>
・手術による経済的・身体的負担がある。
・まれに手術によって子宮穿孔などがおこることがある。
私が手術を受ける病院は、吸引法でした。
手術前夜
以前の記事で書いたのですが、手術を受ける病院を探してからトントン拍子で物事がすすんでいきました。そのため、夫も私も「やるべきこと」として淡々と仕事のようにタスクをこなしているような感覚がありました。
しかし、手術を目前にひかえ、やっと「今までおなかの中にいた子とお別れをする」という事実に向き合う時間がとれました。
寝る前に、夫に「おなかなでてあげて」というと、おなかをなでたまま夫は顔を上げませんでした。静かに泣いていました。ずっと私の前では泣かないようにしていたようで、「2人して悲しんでいたらいけない」と、気を張ってくれていたそうです。
「生まれる前で、(エコー)写真でしか見たことがなくて、思い出も実感もない子のはずなのに、どうして悲しいんだろう。」
「不思議だね。」
と言って、長いお別れをしてくれました。
こんなに大切に想ってくれていたのかと、そのとき知りました。自分ばかりがおなかの子のことを考えていた気でいたのですが、そうではなかった。夫の気持ちを嬉しく感じると同時に、やっぱり生まれてきてほしかったなぁ、夫に元気な赤ちゃんを見せてあげたかったなぁ…と思わずにいられませんでした。
手術当日
病院へ行く1時間前に麻酔テープを貼りました。貼る位置は、手術前の診断で看護師さんから教えてもらっていた位置。ひじの内側+手首近くの2か所。この麻酔テープは、点滴の痛みをやわらげるために貼ります(結局ちょっとチクッとしたけど)。電車の中でペタペタ。
スケジュール
※食事は手術時間の12時間前まで
※水分は手術時間の4時間前まで
9:20 病院に到着
9:35 書類(手術同意書 夫婦の署名が必要)提出
10:00 個室に移動、手術内容の確認。手術着に着替え、手術室が空くまで待機。
10:45 手術室へ移動
部屋には4~5人の方がいました。診察台に乗ると、右手に血圧を測る器具、左手の爪にクリップ(脈拍や血管内の酸素濃度を計測する器具)をつけられます。すると、自分の脈拍にあわせて「ピッピッ」という音が聞こえました。「ドラマみたい!」と少しワクワク。
次に点滴をします。麻酔テープを貼った場所に針を刺すと、やっぱりちょっとだけ痛い(笑)健康診断の採血くらいの痛みを感じました。
「5cc入りました。経過は良好です。」
この声を聞いたのを最後に、スッと意識が遠のきました。普段なかなか寝付けない私も秒で眠りました。点滴から静脈麻酔が入ったようです。
11:50 個室で目を覚ます
気がついたら、部屋が変わっていました。正確には移動させてもらったことさえ覚えていない状態。手には点滴。目を開けるとぐるぐると目が回る状態だったので、完全には麻酔が抜けていない状態だったかもしれません。
目を覚ます直前、おなかに鈍い痛みがあり、ウンウン唸っていた記憶があります。現実なのか夢だったのか…今でもわからないままです。
12:30 お菓子と水をもらう
個室に看護師さんがお菓子と水の差し入れをしてくれました。前の晩から何も食べていなかったので、ありがたい!モリモリ食べる。
体調は車酔いのような気持ち悪さが少しありました。
13:00 出血の確認
出血は少なかったようで、あとは「体調が戻り次第、部屋を出てOK」とのこと。手術開始から2時間強。このくらいの時間で部屋を出る方も多いようですが、相変わらず気分は悪いので、少し休んで部屋を出ることに。
13:40 個室を出てお会計
病院に到着してから4時間程度。手術は無事に終わりました!術後は数回の診断を経て終了です。
痛みの程度と全身麻酔の影響
手術に関しては、ほとんど痛みを感じることはありませんでした。感じた痛みは注射の際のチクッとした感覚と、目覚める前に感じたおなかの鈍い痛みくらいです。麻酔のおかげで、手術にまつわる痛みがかなり軽減されたのは、ありがたいことです!
しかし、その後につらかったのは麻酔の影響…。個室を出てお会計を待っている間、乗り物酔いの状態でぐったりしていました。また、エスカレーターの重力により、危うく人前で吐く寸前でした(精神力でおさえました 笑)。
帰宅して手術から数時間経過しても、乗り物酔いのような気持ち悪さは続きました。
※麻酔の影響は人によって異なります。
麻酔によって吐き気・嘔吐が起こる可能性がある人
・女性
・非喫煙者
・乗り物酔いをする人
・以前の麻酔で吐き気・嘔吐を起こした人
最後の項目以外すべて当てはまっています(笑)時間がたてば治まります。
番外編:全身麻酔の途中で見た夢
全身麻酔で眠っている間、夢を見ました。どうやら、全身麻酔をかけるとぐっすり眠る方もいれば、夢を見る方もいるようです。そして、その「夢」に傾向があるようです。
全身麻酔をすると、「ジェットコースターに乗っている感覚」や「カラフルな世界」の夢を見る方が多いそうです。
全身麻酔中の夢については全く知らない状態だったのですが、私も夢を見ました。
私の場合は、白と明るい紫が混じりあった世界で、同じ色のトロッコに乗っていました。そこで、誰かと一緒に「これをこうして、次はこうして…」と次々と何かの作業をしていました。サイケデリックな世界でした!
まとめ
稽留流産の診断がおりると、待機か手術の選択を行います。どちらにしても母体に負担はかかってしまうのですが、待機の場合は「手術にまつわる身体的・経済的リスクを避けられる」メリットがあり、手術の場合は「予定を立てやすい」メリットがあります。仕事の有無や子育ての状況など、それぞれのライフスタイルに合わせて検討をするといいと思います。
手術自体に関しては、私の場合は麻酔による吐き気はあったものの、痛みを感じることはほとんどありませんでした。手術の翌日は仕事だったのですが、翌日のみ休みをもらい、手術の翌々日からは仕事復帰できました。待機の場合は「いつ大量出血があるかわからない」という不安もあるため、その不安を手術によって回避できたのはよかったです。
流産をしたことは、こうしてブログに書いていますが、ほとんど人には話していません。家族以外には、休みをもらう関係上、直属の上司に伝えただけでした。
「流産とは、夫婦と医師、ごくわずかな人たちの間でひっそりと行われる。」
そう感じました。表現は良くないですが、とても小さなお葬式をしたような気持ちです。
妊娠発覚からの1ヶ月で喜びと悲しみの両方を経験しました。短い間ですが、お父さん・お母さんでいさせてもらえて、嬉しかったです。月並みな言葉しか出てこないのですが、赤ちゃんが無事に産まれるというのは、本当にすごいことなんですね。現在妊娠中の方は、お身体をどうぞお大事になさってください。
いつか、また赤ちゃんに会えたらいいなと思います!
長文になりましたが、最後まで読んでくださって、ありがとうございました!