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【親の入院】経験してわかった高齢者の入院・手術リスク

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こんにちは。ぐらたんです。

2020年7月から父親(70代前半)が入院しています。脊柱管狭窄症の手術を受けるための入院でした。本来であれば、2回の手術をして、3週間程度の入院期間で退院できる予定でしたが、理由あって現在も入院中です。そして、現在の父は…食事・トイレまで完全にベッド上の寝たきり状態になってしまいました。

9月現在までの2ヶ月強の入院期間中、いろいろありました。ホントに!

今回、自分の気持ちの整理もかねて、高齢者の入院・手術リスクについてまとめてみました。高齢の方が入院をすると、こんなことが起こりうるという1事例として読んでいただければ幸いです。

 

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高齢者の入院リスク

高齢者が入院をすると、若い人が入院する場合よりも、さまざまな「予定外のこと」が起こります。父の手術後に起きたことは、以下の内容です。

 

・術後感染症

・せん妄

・筋力低下

・食欲不振

・不眠

・褥瘡(床ずれ)

・直腸からの出血

・腰椎圧迫骨折

・持病の悪化

 

「術後感染症」については、こちらをご覧ください。

手術を行った部分に細菌が入って増殖することで起こります。創の中に異物(金属インプラントなど)がある場合は、感染が生じやすく治りにくいことが分かっています。

 

細菌は、皮膚の組織内の皮脂腺・汗腺などに存在していますし、空気中に浮かんでいる粒子にも存在します。従って、手術を行った部位には必ず細菌が存在していると考えてもよいでしょう。

 出典元:「術後感染症」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる

 

これは、年齢に関係なく起こりうるリスクです。父親の場合は、手術後10日ほど過ぎたころから術後感染症を発症し、傷口を洗うために1週間おきに2回の手術をおこないました。それでも治らない場合は、さらに洗浄のための手術をおこなうこともあるそうです。現在は、完治とまではいきませんが、感染が落ち着きつつあります。

 

「せん妄」については、以下をご参照ください。

せん妄とは、突然発症する意識障害の1種です。時間とともに症状は変動し、通常は短期間で回復します。認知症に関係なく見られる状態ですが、せん妄なのか認知症の症状なのかがわかりづらいため、「急に認知症になった」と家族を驚かせてしまうことも少なくはありません。

 

せん妄は入院している方の1~3割に発症するといわれており、誰にでも起こりえるものです。加齢による脳の変化が起きている高齢者は、特にせん妄が起こりやすい傾向にあります。

出典元:せん妄とは?原因と対応方法 - 介護の専門家に無料で相談「安心介護」介護の基礎知識

 

せん妄は、高齢者の環境の変化などがきっかけとなって起こり、点滴などの管を抜いたり、暴れたりすることもあります。逆に、無気力になったり眠りがちになることも。認知症との違いは、認知症は脳の損傷による不可逆的(もとに戻らない)な変化であり、せん妄は一時的(もとに戻る)なものと言われています。 

 

ちなみに、父は今のところ治っていません…(入院前は認知機能に異常なし)。暴れはしませんが、自分が入院をしているという事実がわからずに「明日◯◯に行こうか」と話したり、「午前中に歩いた」と話したり(実際は歩いていない)、メールをうつ動作ができなくなっています。文字も変わってしまいました。

 

 

「筋力低下」「食欲不振」「不眠」「褥瘡(床ずれ)」「直腸からの出血」は、安静にすること(=動かないこと)により起こりました。

1週間安静にすると、筋力が15%低下し、もとの筋力を取り戻すのに1ヶ月かかると言われています。父の場合は、安静にしている期間が2ヶ月以上にわたっています。もちろん、病院としては術後早い段階でリハビリをはじめているのですが、せん妄で判断力が鈍っている父は痛みのためにリハビリを拒否することもあり、次第に車椅子にも乗ることがなくなりました。結果として寝たきり状態になっています。

 

「褥瘡(床ずれ)」は、同じ姿勢で長時間いることで、圧迫されている場所の血流が低下し、組織が壊死することです。寝たきりの状態だと起こりやすいため、2時間程度で体位変更をすることで予防します。父の場合は、手術跡に重なるように褥瘡ができました。こちらは、体位変更と塗り薬によって徐々に回復しています。

 

「直腸からの出血」は、大量下血という形で突然あらわれました。ある朝、母と私に病院から電話があり、2人して病院にかけつけました。一時は血圧が60まで低下し、命の危険がありましたが、素早い処置のおかげで一命をとりとめました。原因としては、便秘(安静にしていることで起こりやすくなります)・ストレスとの説明を受けました。

 

「腰椎圧迫骨折」は、下血のあとのCT検査で見つかりました。術前のチェックでは圧迫骨折はなかったので、術後に何かの原因で圧迫骨折が起こったものとみられます。心当たりとしては、2回の転倒…。せん妄状態の父は術後(まだ自分の足で動ける時期でした)、1人でベッドから移動しようとして転倒しています。

 

極めつけは「持病の悪化」。詳細は省きますが、全身状態が悪くなったことで、もともと弱っていたところに症状が出てきてしまいました。

おそらく…2回ほど手術をすることになります。

 

次から次へと、「一難去ってまた一難」という言葉がぴったりなほど、いろいろなことが重なりました。「こんなはずではなかった」と母とよく話をしています。

 

リスクを減らすためにできること

「あぁすればよかった」と過去のことを悔いても、後の祭り。私が自分の経験から学んだ高齢者の入院・手術リスクを減らす2つの方法は以下の通りです。

 

①治療方法を慎重に検討する

もちろん、入院・手術は「治療をするため」。しかし、高齢者の場合は思わぬ事態に発展する可能性もあるため、そもそも本当にその手段を選んで良いのかを、さまざまな方法から検討・選択します。治療を受ける方の年齢や体力によって、ベストな選択肢は変わってきます。

 

②手術は事前説明で疑問を解決し、不安な点を医師に伝える

手術をする場合は、事前説明の中で、過去(手術前)、現在(手術中)、未来(手術後)についての理解を深め、疑問点や不安が残らないようにしましょう。手術という大きなイベントに、心身共にベストな状態でのぞむことが大切です。

 

まとめ

高齢者の入院・手術は、加齢による体力や生理機能の低下により、予定通りにすすまない場合があります。今回、私は父の入院・手術を通してこのことを痛感しました。

入院・手術が必要になった場合は、①治療方法を慎重に検討すること、②手術は事前説明で疑問を解決し、不安な点を医師に伝えることをオススメします。

 

父の状態は、まだまだ落ち着きません。病院からの電話にビクビクしたり、心配で眠れない日もありますが、家族全員で1つ1つ問題を解決していこうと思います。 

 

 

 最後まで読んでくださって、ありがとうございました!